Konpeitou

ささえあい・ともに生きる☆金平糖 (2011年7月 活動開始)

介護保険と有償ボランティアにまつわるモヤモヤ

 長かった今年のゴールデンウイーク、家族と楽しい時間を過ごされた方も多いかと思います。また、年老いた親御さんの介護やその準備のために帰省されたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。時代の変化とともに、介護を社会で、との理念で始まった介護保険。5年ごとの見直しで、様々に変化してきています。2015年の改正の中、地域包括ケアシステムの構築が挙げられています。

「2025年(平成37年)を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進」(厚労省HPより)

 こうした仕組み作りに、行政や民間サービス、NPO等の多様な事業主体による重層的な支援体制を構築することが求められています。

 こうした仕組みの実証的取り組みがありました。

「北海道における健康寿命延伸にかかるプラットフォーム構築事業 調査報告書」(北海道ヘルスケア産業振興協議会)

 この報告書にあった札幌市内での「互助」(下図参照)に関する取り組みを紹介します。


☆事業内容

 (元気な)高齢者(報告書では、アクティブシニア)を、高齢者施設やハビリセンターなど4つの施設で、有償ボランティアとして受け入れた。

・事前研修:認知症への対応方法や身体介助、福祉機器の実技等⇒高齢者にとっては大きな収穫。

・マッチング:活動時間、頻度、趣味活動等で特性を活かせる機会の有無、自宅からの交通等の利便性を考慮

・・アクティブシニアの活動頻度・時間は、1週間に3日、1日3~4時間

☆参加したアクティブシニアの感想

 ・活動が不満としたのは1割未満。

 ・「高齢者にしかできない役割があると思うようになった」

 ・「(現役時代とは違い)仕事の責任が軽くなり、仕事が楽しくなった」

☆参加したアクティブシニアからの問題点や課題

・ボランティアとの違いが明確でない。

・事故の補償がない。

☆受け入れ施設の感想

・当初は、施設職員の理解度が低く、アクティブシニアを活用しきれなかった=職員の満足度が得られなかった。

・職員の理解が進み、業務内容を分析したうえで業務分担を行った。⇒ボランティアとの違いを明確にすることがで、職員の満足度もあがった。

・支出可能な単価

 ・600円と評価されたアクティブシニア 6割

 ・748円以上と   〃        1割

 ・支払不可と   〃        1割

☆結果

 ・介護保険および周辺サービス業務の補助としてのアクティブシニアの有効性

 ・活動対価は、600円程度

 ・補償の仕組みの必要性

以上、すごく簡単にまとめましたが、いかがでしょうか。

 地域包括ケアシステムの「有償ボランティア」は、多分、このような感じなのかな~と思っています。

 そこで、私のモヤモヤは・・・

① 有償ボランティアについての明確な定義がない=法律で、その身分が保証されていない。

② 有償ボランティアの事故時の補償

④ 有償ボランティアと労基法

⑤ 有償ボランティアが複雑化することにより、安価な労働力とならないか

⑥ 地域包括ケアシステムの有償ボランティア・ボランティアのすみ分けができるのか。

  事業型NPOでの有償ボランティアがあります。

  地域包括ケアシステムでいうところの有償ボランティアは、元気な高齢者。

  両者の違いは、年齢だけ?

こうしたモヤモヤは、報告書でも「グレーゾーン」としています。

 ☆有償ボランティアと非常勤職員(=雇用関係にある。勤務場所・経費・報酬・事故の補償で明確な取り決めがある。)で、仕事の種類や範囲、指揮命令系統、勤務日数や時間で、両者に差がないという調査結果がある。

 ☆有償ボランティアは、非常勤職員と比較して、全体的に雇用労働者としての傾向は弱いが、雇用労働者に近い働き方をしている可能性があるといわれている。

 さて、4月から始まっているという地域包括ケアシステム。有償ボランティアが、地域で活躍するのはまだ少し先かと思われますが、その今だからこそ、こうしたグレーゾーンについて知り、法律により明確に身分の保証をしてほしいと思っています。

 最後に、有償ボランティアと労基法についての厚労省の見解(厚生労働省 老健局振興課、「介護予防・日常生活支援総合事業ガイドライン案」についてのQ&A集 2015年2月)を紹介します。


問1 有償ボランティアは、労働基準法第9条の労働者に該当する場合があるのか。

(答)

1 総合事業においては有償ボランティアの方々の活躍も期待されるが、ボランティア活動は、一般的には「自発的な意志に基づき他人や社会に貢献する行為」とされ、その性格として「自主性」、「社会性」等があげられる。

その中で、有償ボランティアは、ボランティアによる支援に対し、交通費などの実費や謝金の支払いを受けるものである。

2 その中で、有償ボランティアと称していても、個別の事案ごとに活動実態を総合的に判断し、使用従属関係下にあると認められる場合には、労働基準法第9条の労働者であるとして、労働基準関係法令や最低賃金法の適用対象となる。

3 労働基準法第9条の労働者に該当するか否かに当たっては、以下の点等について総合的に勘案して判断することになる。

・ ある活動日、活動時間に、活動を行うことについて、指示があるか(注1)

(注1)活動を行うことについて、ボランティアに諾否の自由があるか

・ 活動時間の延長や、活動日以外の日における活動指示が行われているか

・ 活動の割当、活動時間の指定、活動の遂行に関する指揮命令違反に対する手当等の減額等の制裁があるか

・ 欠席・遅刻・早退に対する手当の減額制裁があるか(実活動時間に応じた手当を支給する場合においては、活動しなかった時間分以上の減額を行っている場合があるか)

・ ボランティアが、一般の労働者と明確に区分されているか(注2)

(注2)「明確に区分されている」とは、例えば、活動場所については、一般の労働者と全く異なる部屋で活動しなければならないということではなく、一般の労働者と同じ部屋の中で活動する場合であっても、対象者がボランティアであることが分かるよう区別されていることが考えられる。(ボランティアと表記された名札を付ける等)


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